皆さん、こんにちは。今日は少しデリケートな話題ですが、多くのカップルが直面する可能性のある問題について考えてみたいと思います。同棲中のセックスレスが、その先の関係性にどう影響するのか。「このまま結婚してもいいのかな」「別れるべきなのかな」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
私自身、友人たちの相談を受けることも多く、また様々な方の体験談を聞く中で、この問題がいかに複雑で、そして多くの人が抱える悩みであるかを実感しています。今回はそんな「同棲中のセックスレス」について、できるだけ客観的な視点から考えていきたいと思います。
セックスレスとは?今の日本の現状
まず「セックスレス」とは何か、から始めましょう。日本性科学会によると、一般的に1ヶ月以上性的な関係がない状態をセックスレスと定義しています。「え、たった1ヶ月で?」と思われる方もいるかもしれませんね。
実は日本では、既婚カップルの約半数近く(47.2%)がセックスレスだというデータがあります。2016年のDurex社による調査結果ですが、この数字、驚きではありませんか?そして同棲カップルでも、似たような傾向が見られるんです。
「うちだけじゃないんだ」と少し安心する方もいれば、「こんなに多いの?」と驚く方もいるでしょう。でも数字だけでは見えない、一組一組のカップルの事情があるはずです。
なぜセックスレスになるの?よくある原因を探る
同棲中にセックスレスになる原因は本当に様々です。あなたやパートナーの状況に思い当たる節はないでしょうか?
日常化する関係性
「最初は毎日でも足りなかったのに、今では週に一度も…」なんて経験ありませんか?同棲を始めると、どうしても生活がルーティン化します。一緒にご飯を食べて、一緒にテレビを見て、一緒に寝る。そんな日常の中で、どんどん「特別感」が薄れていくんですよね。
家事の分担や家計のやりくりで小さなストレスが積み重なることも。「今日も彼は食器を洗わずに寝てしまった…」「彼女はなぜいつもこんなに散らかすんだろう…」そんな小さな不満が、知らず知らずのうちに相手への魅力を減らしていくこともあります。
言えない、伝えられない悩み
「最近セックスレスで悩んでるんだけど…」なんて、友達にも相談しづらいですよね。ましてやパートナーに直接「なんでセックスしないの?」と聞くのは、さらにハードルが高い。
ある30代女性はこう話していました。「彼に『最近触れ合いが少ないね』と遠回しに言ったら、『疲れてるから』と一蹴されて。それ以来、言い出せなくなった」。このようにコミュニケーションが取れないと、どんどん距離が広がってしまいます。
疲れ果てた心と体
日本の働き方を考えると、これは本当に大きな要因かもしれません。残業続きの毎日、満員電車でのストレス、家に帰ってきたときにはもう「寝るだけで精一杯…」という状況。
ある20代後半の男性は「彼女との時間も大切にしたいけど、仕事から帰ると本当に何もする気力が残ってない。セックスどころか会話するエネルギーもない時がある」と打ち明けてくれました。このような状況は、本人たちだけでは解決が難しい社会的な問題も含んでいますよね。
性に対する価値観の違い
「私にとってセックスは愛情表現の一つで大切」「僕はそれほど重要視していない」。こういった価値観の違いが、同棲をきっかけに表面化することもあります。
デートの頃は情熱に任せて、お互いの違いに気づかなかったけれど、一緒に生活するようになって初めて「あれ?」と感じるケースも少なくありません。この価値観の違いは、時として大きな溝になってしまうことも。
見えてしまう日常の姿
「彼女のすっぴんを見て萎えた」「彼のだらしない生活習慣にがっかりした」なんて言葉を聞くことがありますが、これって少し残念な話ですよね。でも人間だもの、全て完璧な姿でいられるわけじゃありません。
同棲すると、お互いのありのままの姿が見えてしまいます。それは時に魅力的な発見になることもあれば、時に幻滅につながることも。この「素の自分」をどう受け入れ合えるかが、長続きするカップルの秘訣かもしれません。
セックスレスは結婚の障害になる?それとも乗り越えられる問題?
さて、同棲中にセックスレスになったとき、多くのカップルが「このまま結婚していいのだろうか」と悩みます。ここで大切なのは、「セックスレスは必ずしも関係の終わりを意味しない」ということ。でも同時に「無視してもよい問題でもない」ということです。
では、どのような基準で判断すればよいのでしょうか?
原因は解決できるものなのか
セックスレスの原因が一時的なものなのか、それとも根本的な価値観の違いによるものなのかを見極めることが大切です。
例えば「仕事が忙しくて余裕がない時期」なら、状況が落ち着けば改善する可能性が高いですよね。でも「そもそも性的な関係に価値を見出していない」というような根本的な違いの場合は、解決が難しいかもしれません。
あるカップルは「彼が転職して残業が減ったら、自然とセックスレスも解消した」と話しています。原因が明確で一時的なものだったからこそ、乗り越えられたのでしょう。
お互いの将来像は一致している?
セックスレスだけど、それ以外の面(経済観念や子育ての考え方、生活スタイルなど)で強い一致があるなら、結婚を選ぶカップルも多いです。
「確かにセックスレスは気になるけど、彼との生活は本当に心地よい。価値観も合うし、将来の夢も共有できている。だからこのままでもいいと思った」という30代女性の言葉が印象的でした。
一方で「セックスレスはお互いの愛情や信頼の表れでもある」と考える人にとっては、それが欠けていることが大きな不安材料になるでしょう。
話し合える関係性があるか
これが最も重要かもしれません。セックスレスという問題自体より、「その問題について話し合えるかどうか」が、関係の将来を左右することも多いのです。
「パートナーがセックスの話題を避け続けるなら、他の重要な問題も話し合えないのでは?」と不安になるのは当然です。逆に「セックスレスについてオープンに話し合い、お互いの気持ちを理解し合える」なら、他の困難も乗り越えられる可能性が高いでしょう。
セックスレスの期間と頻度も重要
一時的なセックスレス(数ヶ月程度)なら、さほど心配する必要はないかもしれません。でも1年以上続いているなら、より深刻に考える必要があるでしょう。
「最初の半年は気にしていなかったけど、1年を過ぎたあたりから『このままでいいのだろうか』と真剣に悩み始めた」という声も聞きます。期間が長くなればなるほど、「元に戻る」のは難しくなるのかもしれませんね。
実際のカップルはどう乗り越えた?リアルな体験談
それでは、実際に同棲中にセックスレスを経験したカップルの体験談を見ていきましょう。
結婚を選んだケース:信頼関係を優先したAさん夫婦(30代前半)
Aさん夫婦は同棲2年目でセックスレスに。原因は彼の仕事のストレスと彼女の家事負担に対する不満でした。
「最初は『なんで私だけがこんなに頑張っているのに』と思っていました。でも話し合ううちに、彼も相当なプレッシャーを抱えていることが分かったんです」と彼女は振り返ります。
二人はカウンセリングを受け、まずは週に一度のデートを復活させることから始めました。性的関係は完全には元に戻りませんでしたが、お互いを思いやる気持ちと信頼関係を重視して結婚を決意したそうです。
「結婚後、子育てが始まってセックスレスは継続していますが、夫婦としての満足度は高いです。セックスは大事だけど、人生を共に歩むパートナーとしての相性が良かったので、私たちにとっては妥協できる部分でした」と彼女は話しています。
別れを選んだケース:価値観の違いを認めたBさん(20代後半)
Bさんは同棲1年でセックスレスになりました。彼女は性的関係を重視していましたが、彼は「なくても愛情は変わらない」と主張。
「何度か話し合いを試みたんですが、彼はいつも話題をそらしたり、『そんなに重要?』と逆に問い詰めてきたりして…」とBさんは当時を振り返ります。
結局、価値観の違いを理由に別れを決断したそうです。「セックスレス自体より、そのことについて話し合えないことが問題だったんです。自分を大切にしてくれる人と一緒にいたかった」というのが彼女の本音でした。
改善して結婚したケース:環境を変えたCさんカップル(30代中盤)
Cさんカップルは同棲3年目でセックスレスに。原因はお互いの生活リズムのずれとルーティン化でした。
「気づいたら、家でもお互いスマホばかりいじって、会話も減っていました」と彼は言います。
二人で「関係をリセットする」目的で旅行を計画。非日常の環境で親密さが復活し、セックスレスが解消されたそうです。
「環境を変えるだけでこんなに変わるなんて驚きました。今では定期的に二人きりの時間を作るようにしています」と彼は話します。結婚を決め、現在も関係は良好だとか。
セックスレスを乗り越えるための具体的なステップ
もしあなたが同棲中のセックスレスに悩んでいるなら、以下のステップを試してみてはいかがでしょうか。
まずは率直な対話から
難しいかもしれませんが、まずは相手と話し合うことが大切です。責めるのではなく、「最近忙しくて二人きりの時間が少ないね、どう思う?」といった切り出し方から始めてみましょう。
もし性的な話題が難しいなら、カウンセラーなど第三者の力を借りるのも一つの方法です。「二人の関係をもっと良くしたい」という前向きな姿勢で臨むことが大切ですね。
「特別感」を取り戻す工夫を
日常のルーティンから抜け出して、デートや旅行など「特別な時間」を意識的に作ってみましょう。「初デートの場所に行ってみる」「新しい趣味を一緒に始める」など、二人の関係に新鮮さを取り戻す工夫が効果的です。
ある方は「毎週金曜日は必ずデートの日と決めて、お互い仕事を早く切り上げるようにした」と話していました。継続的な努力が実を結ぶこともあるのですね。
生活環境を見直してみる
ストレスや疲労がセックスレスの原因なら、生活習慣の見直しも効果的です。家事の分担を見直したり、睡眠時間を確保したり、場合によっては住環境を変えてみるのも一案。
「リビングにテレビを置かないことにしたら、会話が増えた」「共働きなので家事代行サービスを利用したら、お互いの余裕が生まれた」といった工夫も聞きます。
自分自身の気持ちと向き合う
最終的には、自分にとってセックスがどれだけ重要なのか、パートナーとの関係で何を最も大切にしたいのかを、じっくり考えることが大切です。
「セックスレスでも愛情があれば満足か?」「他の条件が素晴らしくても、セックスレスは許容できないか?」といった問いに、正直に向き合ってみましょう。