多様な愛の形を求めて - 「結婚」という枠を超えたパートナーシップの探し方
朝日が差し込むリビングで、向かい合って朝食を食べる二人。
「またお弁当作っておいたよ」 「ありがとう。じゃあ、夕食は僕が作るね」
そこには結婚指輪はなく、籍も入れていない。けれど確かな絆で結ばれた二人の日常。
あなたは「結婚はしたくないけれど、共に歩むパートナーが欲しい」と思ったことはありませんか？
私自身、30代半ばを過ぎた頃から「結婚」という形式にこだわらない関係性について考えるようになりました。仕事もプライベートも充実させながら、お互いの人生を尊重し合えるパートナーシップ。そんな関係を望む人が、実は意外と多いことに気づいたのです。
この記事では、従来の「結婚」という枠組みにとらわれず、自分らしいパートナーシップを求める方へ、そのニーズに応えるマッチングアプリの選び方から活用法まで、実際の体験談を交えながら詳しくご紹介します。
変わりゆく「パートナーシップ」の形
「結婚」という言葉から、あなたは何を思い浮かべますか？
白いドレス、指輪の交換、親族が集まる披露宴…。または、住宅ローン、子育て、老後の生活設計…。
長い間、「結婚」は人生の節目として、また社会的な安定を得るための重要なステップとして位置づけられてきました。しかし近年、そうした伝統的な価値観が多様化し、「結婚」という形式にとらわれないパートナーシップを選ぶ人が増えています。
友人の智子は40歳のフリーランスデザイナー。3年前に出会ったパートナーとは、お互いの家を行き来する「週末同棲」という形で関係を続けています。
「結婚して一つ屋根の下で暮らすと、どうしても家事や生活リズムで衝突することがある。でも今の形なら、一緒にいる時間は本当に大切に過ごせるの。お互いの仕事も尊重できるし、二人の時間も充実している」
彼女の話を聞いて、「パートナーシップ」には様々な形があることを実感しました。
また、40代のエンジニア・健太さんはこう語ります。 「前の結婚では、社会的な期待に応えなきゃという気持ちが強すぎて、自分の本当の気持ちを見失っていた。今のパートナーとは、お互いのキャリアも大切にしながら、無理なく一緒にいられる関係を築けている。籍を入れる予定はないけど、僕にとっては今の関係こそが理想形なんだ」
こうした「結婚という制度にとらわれないパートナーシップ」を求める理由は人それぞれです。
・キャリアを優先したい ・法的な縛りなく、自由な関係を築きたい ・前の結婚での経験から、別の形を模索したい ・子どもは望まないが、共に人生を歩む相手は欲しい ・親の介護など、現実的な事情から法的な結婚が難しい
どの選択も、「間違い」ではありません。大切なのは、自分たちが望む形で幸せを追求する自由があることではないでしょうか。
そして、そんな多様なパートナーシップを求める人たちのニーズに応えるマッチングアプリやサービスも、近年急速に発展しています。
「結婚しない」パートナー探しに向くマッチングアプリの特徴
伝統的な「婚活アプリ」とは一線を画す、新しいタイプのマッチングアプリ。それらには、いくつかの共通した特徴があります。
- 結婚を強く意識しない利用者が集まる環境
婚活色が強いアプリでは、「いつ結婚する予定？」「子どもは何人欲しい？」といった質問が当たり前のように交わされます。しかし、結婚を前提としないパートナーシップを求める人にとって、そうした空気感は息苦しく感じるもの。
「結婚しない」選択を支持するアプリでは、恋愛関係や友達以上恋人未満の関係、事実婚など、多様な関係性を望む人が自然と集まります。そこでは「今この瞬間をどう楽しむか」「お互いにとってどんな関係が心地いいか」という対話が生まれやすいのです。
友人の由美は言います。「婚活アプリではどうしても『結婚適齢期』『子どもを産める年齢』というプレッシャーを感じた。でも今使っているアプリでは『今』を大切にする人が多くて、ずっと肩の力が抜けている気がする」
- 価値観やライフスタイルを重視したマッチング
結婚という形式よりも、実質的な相性や価値観の一致を重視するのが、こうしたアプリの特徴です。
・「お互いの自由を尊重したい」 ・「キャリアも大切にしながら親密な関係を築きたい」 ・「同居はしたいけど結婚はしたくない」 ・「子どもは望まないけど長期的なパートナーが欲しい」
このような具体的な価値観やライフスタイルの希望に基づいて、相性の良い相手を見つけられる機能が充実しています。
アプリによっては、AIを活用した高度なマッチングシステムを導入し、表面的なプロフィールだけでなく、本質的な価値観の一致度を計測するものも登場しています。
- プライバシーへの配慮が充実
「結婚はしないけれどパートナーが欲しい」という選択は、まだ社会的に十分に理解されているとは言えません。そのため、周囲の目を気にせず安心して利用できるプライバシー保護機能が重要になります。
・本名ではなくニックネームでの登録 ・SNSと連携せずに利用できる機能 ・顔写真を限定公開できる設定 ・位置情報の詳細表示をオフにできるオプション
こうした機能があることで、「職場の人に見つかったらどうしよう」「友人に知られるのは恥ずかしい」といった不安を感じずに済みます。
- 多様な関係性に対応した専用機能
一般的なマッチングアプリとは異なる、専門的な機能も見逃せません。
・「会える時間帯」設定機能で、ライフスタイルに合った交流が可能 ・「関係性の希望」を明示できるタグやカテゴリー ・同居希望／別居希望などの詳細条件での検索 ・DINKS（子どもを持たない共働きカップル）向けのコミュニティ ・セカンドパートナーを探す人向けの配慮機能
こうした特化型の機能が、従来の「婚活」とは一線を画すユーザー体験を可能にしています。
具体的におすすめのアプリ紹介
では、実際にどのようなアプリが「結婚はしたくないけれどパートナーが欲しい」人のニーズに応えているのでしょうか。それぞれの特徴と実際の利用者の声をご紹介します。
- anemone（アネモネ）- AIがつなぐ価値観マッチング
2024年8月に始まった比較的新しいサービスですが、その革新的なアプローチで注目を集めています。anemoneの最大の特徴は、AIによる高精度マッチングシステム。単なる外見や条件だけでなく、恋愛観や価値観の相性を重視したマッチングが可能です。
「結婚はしたくないけれど、価値観の合うパートナーが欲しい」というニーズにぴったりのアプリと言えるでしょう。
【主な特徴】 ・AIによる価値観マッチングで相性の良い相手を効率的に探せる ・同性ユーザーとのコミュニティ機能で恋愛相談や情報交換が可能 ・プライバシー設定やニックネーム機能で身バレ防止も充実 ・結婚に縛られない多様なパートナーシップを求める利用者が多い
都内在住の32歳システムエンジニア・直樹さんは、anemoneを3ヶ月ほど利用した経験を教えてくれました。 「僕は仕事が忙しくて、でもやっぱり心の支えになる相手は欲しいと思っていた。でも『結婚』となると、今の生活リズムが崩れるのが怖かった。anemoneでは『価値観診断』という機能があって、それで自分と似た価値観の人とマッチングできた。今の彼女とは『一緒にいる時間は大切にするけど、お互いの時間も尊重しよう』という関係で、とても心地よいです」
- Cuddle（カドル）- 自由なパートナーシップのための隠れ家
Cuddleは、既婚者やセカンドパートナーを探している人向けに特化したマッチングサービス。一般的なアプリとは一線を画す、独自のポジショニングが特徴です。
【主な特徴】 ・WEBブラウザ版のみでスマホにアプリを入れずに利用可能 ・身バレリスクを最小限に抑える設計 ・忙しい30代〜50代の利用者が多い ・「会える時間帯」設定機能で効率的に出会いを探せる
出版関係の仕事をしている45歳の美智子さんは、Cuddleを利用して今のパートナーと出会いました。 「私は一度離婚を経験していて、もう『結婚』という形はいいかなと思っていたんです。でも寂しいときに支えになってくれる人は欲しかった。Cuddleの良さは、みんなが『結婚以外の形』を求めているから、変に結婚を急かされることがないこと。今のパートナーとは月に数回会う関係だけど、お互いの生活を尊重しながら、良い距離感で付き合えています」
- ディンクスマッチ - 子どもを持たない選択を尊重する場所
子どもを持たない選択をした人（DINKS：Double Income, No Kids）向けの特化型マッチングアプリです。結婚という形式よりも、ライフスタイルや将来設計の一致を重視したい人におすすめです。
【主な特徴】 ・子どもを持たない選択をした人同士のマッチングに特化 ・キャリアや趣味を大切にする30代〜40代の利用者が中心 ・共働きを前提とした関係構築を支援 ・将来設計や資産形成に関する価値観の一致を重視
ファイナンシャルプランナーの健太さん（38歳）はディンクスマッチの満足ユーザー。 「前の彼女とは『子どもは欲しいか』という点で価値観が合わず、辛い別れを経験しました。ディンクスマッチでは初めから『子どもは持たない』という選択を共有できる人と出会えるので、その点での不安がありません。今のパートナーとは『お互いのキャリアを大切にしながら、自由な二人の時間も楽しむ』という関係を築けています。正式な結婚はしていませんが、事実婚のような形で共に歩んでいます」
マッチングアプリ活用の実際 - 体験談から学ぶ
ここからは、実際にこうしたアプリを利用して、「結婚しない」パートナーシップを築いた方々の体験談をもとに、活用のコツを探ってみましょう。
【体験談1】「気楽な気持ちで始めたら、理想のパートナーに出会えた」
20代後半のWeb編集者・菜々子さんの体験です。
「最初は友達に勧められて、半信半疑でマッチングアプリを始めました。最初のうちは『結婚相手を見つけなきゃ』というプレッシャーがあって、相手を選ぶ目が厳しすぎたんです。でも使っているうちに『そんなに真面目にやりすぎると疲れる』と気づいて、『いい友達ができたらいいな』くらいの気楽な気持ちに変わりました。
そうしたら不思議なことに、メッセージのやり取りも楽しくなって、自然体の自分でいられるようになったんです。今のパートナーとはそんな時に出会いました。お互い『結婚は考えていない』という点で一致していて、でも『大切な存在でいたい』という気持ちも共有できています。
今は週末を一緒に過ごしたり、長期休暇に旅行に行ったりする関係。でもお互いの生活は尊重しています。この関係が心地よくて、特に「結婚」という形にこだわる必要を感じません」
【体験談2】「Cuddleのプライバシー機能に救われた」
30代後半の会社員・拓也さんの体験です。
「僕は仕事柄、プライベートな情報が知られるのにとても神経質でした。でもパートナーが欲しいという気持ちもあって、いろいろ調べた末にCuddleを選びました。
スマホにアプリをインストールしなくていいのがすごく良かった。PCからブラウザでアクセスするだけなので、誰かに見られる心配がありません。『会える時間帯』を設定できる機能も、忙しい僕にはぴったりでした。
今のパートナーとは週に1〜2回会う関係です。お互い『結婚』という言葉を口にしたことはありませんが、困ったときに助け合える、そんな関係を築けています。彼女も仕事を大切にしている人なので、『いつも一緒にいなきゃいけない』というプレッシャーがなく、むしろ『会える時間を大切にしよう』という気持ちが強いです」
【体験談3】「anemoneのAIマッチングで価値観の合う相手と出会えた」
40代前半のグラフィックデザイナー・真理子さんの体験です。
「私は一度離婚を経験していて、『もう結婚はいいかな』と思っていたんです。でも一人で生きていくのも寂しいし、心の支えになる人は欲しかった。そんなとき友人に勧められたのがanemoneでした。
特に良かったのが『価値観診断』という機能。細かい質問に答えていくと、自分の恋愛観や生活観が見えてくるんです。そして、それに基づいて相性の良さそうな相手を紹介してくれる。
今のパートナーとは、お互い『結婚はしたくないけど、長く一緒にいたい』という気持ちで一致していました。最初から「結婚しない」けれど誠実な関係を望んでいることを伝えられたので、余計な誤解もなく関係を築けたと思います。
今は同じ町に住んでいて、週末は一緒に過ごす。でも平日は別々の生活。この距離感が私たちにはちょうど良いんです」
成功のためのポイント - 「結婚しない」パートナーシップ探しの心得
これらの体験談から見えてくる、「結婚はしたくないけれどパートナーが欲しい」人のためのマッチングアプリ活用ポイントをまとめてみましょう。
- 自分の望む関係性を明確にする
「結婚はしたくない」という思いは同じでも、その先に求める関係性は人それぞれです。
・別々に住みながら定期的に会う関係？ ・同居はしたいけど籍は入れない関係？ ・お互いの時間を大切にしながら精神的に支え合う関係？ ・仕事や趣味を優先しつつも、寂しいときに頼れる存在？
自分が本当に望む関係の形を、事前にじっくり考えておくことが大切です。そしてそれをプロフィールやメッセージの中で、相手に正直に伝えることができると、ミスマッチを防げます。
- プロフィールは正直かつポジティブに
「結婚はしたくない」というメッセージを伝える際、否定的な表現になりがちです。しかし、「結婚はしたくないけれど、大切な関係は築きたい」というポジティブな表現に変えることで、印象も変わります。
例えば「結婚願望はありません」ではなく、「お互いの自由を尊重した関係を大切にしたいと思っています」というような表現がおすすめです。
- 価値観の擦り合わせを丁寧に
「結婚しない」パートナーシップは、法的な保証がない分、お互いの価値観や期待値の一致がより重要になります。特に以下の点については、早い段階で話し合っておくと良いでしょう。
・一緒に過ごす頻度や時間 ・将来の同居の可能性 ・経済的な分担の考え方 ・家族や友人への紹介の有無 ・病気など、困ったときの支え方
「体験談3」の真理子さんは、アプリ内のメッセージ交換でこれらの点について丁寧に話し合ったことが、その後の安定した関係につながったと語っています。
- 「気楽さ」と「誠実さ」のバランス
「体験談1」の菜々子さんの言葉にあるように、「真面目にやりすぎると疲れる」という側面はあります。一方で、相手の気持ちを尊重する誠実さも大切です。
このバランスを保つためには、「今この瞬間を大切にしながらも、お互いに対する約束は守る」という姿勢が重要ではないでしょうか。法的な結婚関係がない分、信頼関係の構築はより丁寧に行う必要があります。
一般的な婚活と「結婚しない」パートナー探しの違い
ここで、一般的な婚活との違いについても整理しておきましょう。この違いを理解することで、より効果的にマッチングアプリを活用できるはずです。
- ゴール設定の違い
一般的な婚活では「結婚」というゴールが明確にあります。しかし「結婚しない」パートナー探しでは、ゴールはより多様で個人的なものになります。
・精神的な繋がりの構築 ・ライフスタイルを共有できるパートナーシップ ・法的な縛りのない長期的な関係 ・お互いの自立を保ちながらの緩やかな絆
このゴールの違いを意識することで、相手との会話や関係構築の方向性も変わってきます。
- 時間軸の捉え方
婚活では「いつ結婚するか」という将来の時間軸が重視されがちです。対して「結婚しない」パートナーシップでは、「今この瞬間の関係の質」に焦点が当たることが多いようです。
体験談の中でも「今の関係が心地よければ、将来のことはその時に考えれば良い」という価値観が共通して見られました。
- 親や周囲の関与度
一般的な婚活では、親や家族の意向が影響することも少なくありません。しかし「結婚しない」パートナーシップでは、より自分たち二人の判断を優先する傾向があります。
実際、アプリ利用者の中には「親に紹介するつもりはない」「友人には『友達』として紹介している」という人も多く、この点も大きな違いと言えるでしょう。
社会的な視点から見た「結婚しないパートナーシップ」
こうした「結婚しない」選択は、個人の自由であると同時に、社会的な文脈の中でも捉える必要があります。
一つには、ライフスタイルや価値観の多様化があります。「一つの正解」ではなく、それぞれの幸せのかたちを模索する時代になっています。
また、経済的な要因も無視できません。終身雇用が崩壊し、将来の見通しが立てにくくなった現代では、「結婚」という大きな決断に踏み切れない人も増えています。
さらに、法制度の面からも考える必要があります。「結婚しない」パートナーシップを選んだ場合、相続や医療同意、各種手続きなど、法的な保護が受けられない場面もあります。こうした点については、事前に調べておくことも大切でしょう。
一方で、多くの自治体でパートナーシップ制度が導入されるなど、法的な結婚以外の関係性を認める動きも広がっています。社会の変化と個人の選択が、新しいパートナーシップの形を生み出しつつあるのです。
これからの「結婚しない」パートナーシップの可能性
最後に、これからの可能性についても考えてみましょう。
マッチングアプリの技術進化に伴い、より精度の高い相性診断や、多様な関係性に対応した機能が増えていくことが予想されます。実際、anemoneのようなAI活用型のアプリは、その先駆けとも言えるでしょう。
また、「結婚しない」選択への社会的理解も徐々に広がっていくと思われます。それに伴い、周囲の目を気にせず自分らしい関係を築ける環境も整っていくのではないでしょうか。
さらに、法的な保護と個人の自由のバランスを取るような、新しい制度やサービスも生まれてくるかもしれません。例えば、「結婚しない」パートナー向けの共同口座サービスや、医療同意に関する新しい仕組みなど、法的結婚に代わる選択肢が増えることで、より安心してパートナーシップを築ける社会になるかもしれません。
あなたらしい関係を見つけるために
「結婚」という言葉に縛られず、自分らしいパートナーシップを模索する。それは決して「逃げ」ではなく、自分の幸せを真剣に考えた「選択」です。
マッチングアプリはそんなあなたの選択をサポートするツールの一つ。anemone、Cuddle、ディンクスマッチなど、自分のニーズに合ったアプリを選び、正直かつポジティブな姿勢で活用してみてください。
